中学受験:損益算は”色付き線分図”を描け!

小学生は損益算が苦手? 大人と前提知識が違うので注意!

息子が5年生の夏ごろ “損益算” という単元が登場しました。”仕入れ値に20%の利益を見込んで定価を決め…” ふんふん、ふだん仕事でビジネスを扱っているサラリーマンにはとてもシンプルな問題文に見えるのですが、小学生である息子にとっては全く理解ができない…意外ですがかなり苦戦しました (O_O)

定価に売価(売り値)、原価(仕入れ値)、利益(儲け)に損失… 息子にとってはイメージの掴めない用語だったようです。小売業の仕組みは何となくわかっている。それでも、次から次へと商売用語が出てきては、割合の用語まで入ってくる。商売の前提知識が無いため、息子にとって想像以上にハードルの高い単元だったのです

 
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小学生は”商売”を知らない

商売の基本…”入(いり)”と”出(で)”

まずは…売買損益を小学生により深くイメージしてもらうには、商売をする人(例えば小売業者)の立場になって問題を見てもらわなくてはなりません。なかなか考えませんよね? だって普段は消費者側の立場なのですから。商売をする人の立場になれる簡単な考え方があります。それは 入(いり) と 出(で) という考え方です

商売をする人の頭の中は…”入ってくるお金” と ”出ていくお金”が 全てです。普段は消費者側の立場の小学生に出来るだけシンプルに商売をする人の立場を理解してもらうのが本単元の入り口です。本記事は”色付き線分図”と題していますが、徹底的にイメージを掴むために…入(いり)は青出(で)は赤 で表記をしたいと思います。

① [入] 定価と売価 

まずは…入(いり)の考え方からです。まずはそれぞれの用語の意味から小学生でも分かりやすいように解説します。定価とは…商売をする人が売ろうと思った値段。売価とは…実際に売れた値段で実際に入ってくるお金です。定価からいくらか値引きして売価で売れる。小学生はこの定価と売価の関係が、まず分からないようです。

定価と売価の関係を小学生にイメージで理解させるには…もちろん線分図です!スーパーで定価1000円の野菜や刺身が夕方になると…3割引きの700円で売られているでしょう? 商売をする人が最初に決めた定価でものが売れるとは限らない!実際に入ってくるお金は定価ではなく売価である事… 世の中の仕組みも交えながら教えてあげましょう

ここで1つ確認ポイントです。お子様は “定価の3割引き” や ”定価の90パーセント” のような “割引き用語”を理解しているかを必ず確認しましょう。本記事の冒頭でもお伝えしましたが…小学生は意外と商売について理解していません!中学入試に出てくるいくつかの表現を表にまとめてみました。

② [出] 原価

次は出(で)の考え方です。原価とは…商売をする人が売る物を仕入れてくる時に使うお金、つまり商売をする人にとっては出て行くお金です。お子様は原価という言葉の響きから、何かにつけられた値段みたいなものだと勘違いしていませんか? 原価は出て行くお金であるという事をお子様にイメージしてもらいましょう!

③ [入−出] 利益と損失

最後はいよいよ利益と損失です。入(いり)と出(で)をお子様に並べて見せましょう!入ってくるお金と出て行くお金を比べるのです。入ってくるお金の方が大きければ手元にお金が残ります。これが利益。出て行くお金の方が大きければ手元にはお金が残らないどころか借金まで発生します。これが損失ですね d(^_^o)

用語のバリエーション

①定価と売価、②原価、③利益と損失。入(いり)と出(で)を意識しながら3つの用語をお子様と徹底的に固めてきましたが、仕上げは用語のバリエーションです。”売価”の事を”売り値”と言ったり、”利益”の事を”もうけ”と言ったり… 学習塾で使われているテキストを読み回して拾ってまとめてみました!

損益算 は”色付き線分図”で

線分図は入(青)と出(赤)で!

損益算の問題に息子と奮闘しているなかで、間違え方のパターンが分かってきました… 線分図を描くまでは良いのですが、どこが実際の利益なのか分からくなってしまうようなんです。なので実際に入ってきたお金は青で、実際に出ていったお金は赤で書くようにしました。まずは色を使わないシンプルな線分図から。

次は “色付き線分図” です。入(いり)出(で)の引き算が利益である事が出来るだけイメージしやすいように!当然ですがテスト中は色鉛筆やペンは使えませんので、家庭で学習する時のみ色付き線分図を書きます。いずれ頭の中で、イメージできるようになったら、入(いり)の青出(で)の赤は卒業しましょう d(^_^o)

 

問題文から線分図を起こすための解説です。「2割の利益を見込んで960円の定価をつけ」で線分図の上側が出来上がります。2割の利益を見込んでなので原価が1に対して見込む利益は0.2となりますね。次に「定価の1割引きで売りました」で線分図の下側が出来上がります。定価の1割引きなので売価は定価×0.9ですね。比の数字には必ず丸数字や四角数字を使いましょう。

丸数字や四角数字をはじめとした比に関するテクニックは以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ合わせてご参照ください!
参考:割合と比は “7つ道具” で克服

割合計算は円形図で!

線分図が描けたら空欄(比の状態)になっている数字を埋めなくてはいけません。これは割合の7つ道具で紹介した基本3公式を使えば簡単に埋めて行く事ができます。余白のどこかに “割合の円形図” を書いて、求めたい数字を指で隠しましょう。丸数字や四角数字を計算して実際の数字に置き換えます。

線分図を具体的な数字で埋める事ができれば問題は解けたようなものです。今回は利益の部分がわからない問題でしたが、売価が隠れている問題や、原価が隠れている問題も同様の解き方で解く事ができます。なお、”割合の円形図”については同じく以下の記事で紹介していますので、ぜひご参照ください。
参考:割合と比は”7つ道具”で克服

注釈:基本3公式ではなく、もちろん”比例式の穴埋め”の道具を使っても計算することができます!詳しくは上記の記事で。

途中で条件が変わる問題にはコツが必要

最後に… 途中で条件が変わる損益算には要注意です。線分図が途中で描けなくなってしまうのです。途中で条件が変わる問題は、大きく分けて2種類あります。① 途中まで定価で売って残りは割引きで売る ② 仕入れてきた品物のうちいくつかを廃棄して残りを売る の2パターンです。その場合はたった1つのコツで解く事ができます。

そのたった1つのコツとは… 仮に途中で条件が変わらなかったらどうなるか?を考える。 これだけです。① 途中まで定価で売って残りは割引きで売る場合、全部定価で売れた場合を考える。② 仕入れてきた品物のうちいくつかを廃棄した問題では、1つも廃棄しないで全て売った場合を考える。 このコツさえ掴めば売買損益の応用問題も解けちゃいます!

問題の解き方例①

先ほどの例を実際に解いてみましょう。”色付き線分図” を書いてみましょう。1つも破棄せずに全部売った時と、痛んだ10個のりんごを捨てた場合の線分図を書きます。線分図が右に飛び出た部分は “売価の差分”に相当します。この問題の場合の”売価の差分”は捨てた10個のりんごを売った時の金額(つまり100円x10個)ですね。

線分図が出来上がったら式を立てます。四角は35個になります。最初に仕入れてきたりんごの数は35個という事になります。

問題の解き方例②

こちらの問題も同様です。線分図が右に飛び出た部分は”売価の差分”です。この問題の場合、定価の70円で売った場合と、定価の1割引(つまり63円)で売った場合の差分ですから… “売価の差分”はりんご1個あたり7円の売価の差分 がでます。個数はまだわからないので四角にしておきましょう。

線分図が描けたら、式を立てます。四角は65個になります。全部で100個のりんごのうち1割引きで売ったりんごは65個となります。

 

まとめ

損益算という単元は、大人にとっては馴染みがあるため簡単に考えがちですが、小学生にとって前提知識が違うためかなり苦戦した(私の実体験です…)というお話をご紹介しました。克服する為には、普段は消費者の立場であるお子様に”商売をする人”の視点にたってイメージしてもらうところからスタート する事をオススメします。

<小学生に商売の概念を教える>
1)損益算の主役は “商売をする人”
2)商売の基本…入(いり)と出(で)のイメージを教える
3)用語を正しく理解する

<問題を解くためのテクニック>
1)”色付き線分図”を描く!
2)割合の計算は円形図で!
3)条件が途中で変わる損益算は…条件が変わらない場合の線分図も描く!


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