中学受験:単位変換を超簡単に!低学年でもできる9桁スライド図
受験のクセモノ単位変換…低学年でも分かる単位変換方法を!
※ 2023年12月 日本語の4桁ごとと英語の3桁ごとの数え方の違いについて項目を追加しました
こんにちは。かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
忘れた頃に突然すがたを現し、解き方がせっかくわかったのに点数を奪っていく…ゼロを1つ間違えると命取り…。受験生にとってそれほど難解なわけでもないのにクセモノな存在。単位変換とはそんな存在ではないでしょうか? 問題は解けたのに最後の単位変換でミスをしてしまう…こんな経験ありませんか?
すぐに忘れてしまう原因はおそらく以下のような数式で覚えているからではないでしょうか。確かに教科書にも掲載されている通りで全くもって正しいのですが… 私の息子はこの単位の変換式が全く頭に入らなかったんです。特に面積のアール(a)や、体積のリットル(L)がどう変換されるかすぐ忘れちゃうんです (>_<)
数式は忘れやすいので イメージ記憶で覚える事を絶対的にオススメ します。
目次
イメージ記憶法で単位変換は怖くない
文字列よりもイメージの方が頭に残る
語学学習では今や主流となった “イメージ記憶”。文字列ではなくイメージ(画像)で記憶するという記憶法です。右脳記憶とも呼ばれています。どんな記憶法なのでしょうか? 次の図を見てください。Appleという英単語を覚える際の、文字列記憶とイメージ記憶の比較になります。イメージ記憶とはシンプルにイメージ(画像)で記憶する方法なんです。
イメージ記憶にはいくつかメリットがあります。大きなメリットのひとつは記憶に定着しやすいという事。過去の記事( 中学受験:使える!学習に関する学説4選 )でもご紹介しましたが、イメージを思い浮かべる行為が擬似的な経験や体験になるため忘れにくいのです。フラッシュ暗算の達人や記憶の達人は皆このイメージ記憶を活用しています。
仕組みがわかった所で、中学受験における単位変換を “イメージ記憶” してみましょう。
基本3単位は “9桁スライド図” で覚える
まずは 基本3単位を覚えるための “9桁スライド図” からご覧ください。
1マスは10倍(ゼロひとつ)を表しています。mmが1000個あつまるとmになり、mが1000個あつまるとkmになる。mmが10個あつまるとcmになりmLが100個集まるとdLになる… このような長ったらしい事を 数式や言葉ではなく上記のようなイメージ(画像)で覚えさせる ことがポイントです。
dL(デシリットル)とcm(センチメートル)も上記のイメージ(画像)の”場所”で覚えさせましょう。cmはmmの左隣という場所で覚えるんです。mmの左隣ということはmmの10倍ですね。上記の図をお子様にノートに書いてもらってください。見ないで書く事ができるようになれば、つぎは変換練習です。
上記のように4200cmを変換したい場合、cmの位置を基準にしてそのまま”9桁スライド図”に書き写します。m(メートル)に変換したいのであれば、mの左が一の位になります。42mであることが分かりますね d(^_^o)
同様に他の数字も変換してみましょう。
この 9桁スライド図の最大のメリットは単位変換が自由自在であるという事 です。単位が変わった分だけ小数点の位置がスライドしている事がビジュアルに分かります。例えば…dLからkLへ変換するといったちょっと分かりにくい変換でも分かりますね。
面積と体積は “3段階イメージ図” で覚える
こちらもまずは面積と体積の単位を覚えるための “3段階イメージ図” からご覧ください。
1辺の長さが1m…10m…100m…や、1cm… 10cm… 100cm… と3段階分のイメージを元に覚えるイメージ記憶法です。
敢えて左下の吹き出しに教科書などに乗っている単位変換の式(つまり文字列記憶)を比較対象として記載してみました。単位変換のたびにこのような式を思い出して “あれ…ゼロがいくつだっけ?” なんて事を考えていてはミスも起こります。アール(a)やヘクタール(ha)は滅多に出てこないので思い出せない(うちだけか…?)
アール(a)もヘクタール(ha)も上記の “3段階イメージ図” の どこに書いてあるかの場所イメージで覚える んです。アール(a)は “3段階イメージ図” の真ん中…ヘクタール(ha)は右側…と”場所”で覚える んです。リットルやミリリットルも同様です。ミリリットル(mL)は左側…リットル(L)は真ん中ですね。
イメージが定着したら実践を
計算は3ステップを徹底させる
イメージ記憶を使って単位変換の基礎が頭に入ったら計算練習です。小学生がよくやってしまうのが違う単位どうしで計算してしまうというミス。うちの息子もこのミスを連発し…とても苦労しました(>_<) そこで…計算をする手順を3つのステップに分けて息子に徹底させたところ計算ミスが激減した のです。
“3ステップ”とかっこいい言い方をしていますが、とてもシンプルです。要は注意散漫な小学生に”単位は揃えろよ〜!”と意識づけするための呪文のようなものです。“単位のある計算は必ず3ステップ” としつこいくらい言い聞かせると…いつの間にか計算ミスは減っていることでしょう!
STEP1:単位を揃える
具体的な単位のある計算問題を使って3つのSTEPを追ってみたいと思います。
STEP1は “単位を揃える” です。単位の変換はご紹介したイメージ図を使えばとても簡単です。9桁スライド図はすでに説明しました通り小数点の移動をイメージで考えましょう。面積と体積の変換は… 忘れてしまったら3段階イメージ図を頭の中に思い浮かべましょう。簡単に思い出せるはずです!
それでは、実際に式に出てくる数字を全てミリリットル(mL)に揃えてみましょう。
STEP2:計算する
単位が揃ったら計算ができる状態になりますので、STEP2の “計算する” にうつりましょう。ここは説明不要ですね。足し算や引き算…掛け算や割り算を、計算ミスに気をつけて計算しましょう。今回のように式の途中に “空欄の四角” がある問題はちょっと特殊な計算が必要ですが、そちらのコツは 別の記事で紹介したいと思います。
STEP3:単位を(問題の求める単位に)戻す
もしSTEP1で揃えた単位と問題の求める単位が異なっていた場合には、単位を目的の単位に戻します。9桁スライド図や3段階イメージ図を活用すれば怖くないですね。
番外編(統計データでよく見る単位)
中学受験でもよく出題される、統計データやグラフ。
そこで目にするのが (百万人) とか (十億円) みたいな中途半端な単位。なんで (万人)じゃなくて(百万人)なんだ(-_-;) 万人の方がキリが良いではないか…。
いわずもがな…
これは英語の数え方に由来しています
日本語のモノの数え方は4桁ごとが基本となっており、英語では3桁ごとが基本となっている。統計データの単位は英語の数え方をベースにしていることも多いです。
そこで同じように12桁スライド図を見てみましょう!
考え方は本編でご紹介した9桁スライド図と同じです。
英語では3桁ごとにthousand、million、billionという形で数えます。そこに日本語を無理やり当てはめると、thousand=千、million=百万、billion=十億となります。
だから統計データでは
中途半端な (百万円) みたいなのがよくあるのです
ちなに、SI接頭語というのもよく使われます。K(キロ)やM(メガ)やG(ギガ)などですね。もちろんこれも英語のthousand、million、billionに相当します_φ(・_・
試しに 52(百万人) を考えてみましょうd(^_^o)
いかがでしょうか?
単位変換をスライド図という形で説明してきましたが、全てに共通することはケタに名前がついているが、その名前の付け方は1種類ではなく時と場合によって違う呼び方を使うということですd(^_^o)
基本的な考え方ですのでシッカリ理解しましょう!
まとめ
今回は受験生がけっこうミスをして減点されてしまいがちな単位変換にフォーカスしてノウハウをまとめてみました。せっかく問題が解けたのに単位変換でミスをして悔しい思いをしないためにも、おろそかにせずシッカリと抑えておきたいところです。今回ご紹介したポイントは以下の2つです。
1)単位変換は数式ではなくイメージ図で
基本3単位は”9桁スライド図”
面積と体積は”3段階イメージ図”2)ミスをなくすために計算は3ステップで
STEP1:単位を揃える
STEP2:計算する
STEP3:単位を戻す
印刷用にPDFを準備いたしました。ぜひご活用くださいd(^_^o
神奈川県の公立校の教師をしている者です。
現在4年生の担任をしているのですが、単位換算の指導でゆずぱ様の9桁スライド図を
ご活用させていただきたいと思います。
子どもに単位の換算を定着させるのはなかなか難しく、
量感をもって感覚が育てられればと思っているのですが、
少しでも、身に付けられる子が増えるように努力したいと思います。
よろしくお願いいたします。
匿名さま
プロの教員の方にこのようなコメントをいただけると
とても光栄に感じます
微力ながらも教育現場に貢献できること
うれしく思います!
今後ともよろしお願い申し上げます!
ゆずぱさんこんにちは。
小学4年生の子供が
何度やっても、単位変換が苦手で
拒否反応を起こしています。
そんな中、こちらのサイトを拝見し
丁寧にダウンロードまで!!
本当にありがとうございます。
ぞのさん
かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
ありがとうございます!
お子様のお役に少しでも立てたようであれば
本当に嬉しく思います。
陰ながら応援させていただきます!
お礼のご連絡が遅くなってしまい、申し訳ありません。
先日は画像使用の許可をくださりありがとうございました。
学校の廊下に掲示させていただいてます。
子供達にとって最初は数ある掲示物の1枚でしかなかったのですが、担任する5年生の授業で関連した内容を学習中に子供たちに問いかけたところ、「とてもわかりやすいし、練習問題も難しいわけじゃなくてやればできるんだって思えた」と好評でした。
6年生の学習で真価を発揮すると思いますので、
その日まで心に留まっていてくれと願うばかりです。
他の記事等、活用させていただく機会がありましたらまたご連絡させてください。
この度はありがとうございました。
茨城県教師さま
かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
たいへんありがたいご連絡ありがとうございます!
分かりやすさを考えに考えてコンテンツを作成しておりますので
教育現場でのご活用をいただき、とても嬉しく思います。
今後も情報発信を続けて参ります。
次の機会があれば、ぜひご連絡ください!!
ゆずぱさんこんにちは。
私は茨城県で公立小学校の教師をしています。
単位を変換することに不慣れな子供達になにか良い資料はないかと思っていたところにゆずぱさんの記事を見つけ、拝見させていただきました。小学校の授業では単位の変換を極めるという目的で授業時間を取ることは難しく、算数コーナーの掲示物という形で子供達に力をつけてもらえたらなと考えています。
つきましては、記事に掲載されている内容の一部(画像やPDFデータ)を学校の掲示物として活用させていただくことは可能でしょうか?また、掲示の際は出典等明記させていただいた方がよろしいでしょうか?
ご検討いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
茨城県教師さま
かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
プロの教師の方からのコメント大変光栄です。
学校の掲示物としての利用、
ぜひ、ご活用いただければと考えております!