中学受験:入試によく出る風刺画の攻略法…ビゴーだけじゃない!

入試で出る風刺画…知っていないと解けない?いいえ 時代背景を理解している事が重要です!

10月に入り…我が家では受験に向けた最後の追い込みである”過去問への取り組み”を開始しましたd(^_^o) そこである事に気づきます。それは…

風刺画に絡めた問題が頻出している事

本当によく出ています。風刺画なんぞ… 知らなかったらアウト…諦めるしかないのでは? そんな事はありません!風刺画そのものを知らずとも、時代背景の知識を使って解ける問題がほとんどです d(^_^o)

今回の記事では風刺画と入試の出題傾向を説明した後に、代表的な風刺画の例を紹介したいと思います。誰も知らないであろう風刺画を絡めた問題例をいくつか紹介します d(^_^o)

 
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入試によく出る!風刺画を絡めた問題の出され方

そもそも…風刺画ってナニモノ?

本題の前に…風刺画とは何でしょうか? いつものように辞書で調べてみると… “社会の欠陥や政治の罪悪への批判を機知に富んだ皮肉で表現した絵画” とあります。つまり風刺画を書く画家はその絵画にメッセージを込めています

しかも社会や政治に対する皮肉です

風刺画を見るときは必ず画家が何かを批判しているんだという目で見なくてはいけません。そこで重要なのは時代背景 です。特に明治時代から昭和初期にかけて社会の変動がありましたね d(^_^o)

以下は1902年(日露戦争の直前)に世に出た”火中の栗”という風刺画ですが…  日本はまるで子供のような風貌…日英同盟という対等な軍事同盟のはずなのにイギリスが日本に指示…皮肉いっぱい ですね (^_^;)

 

風刺画を伴う出題パターン

風刺画を絡めた問題は実際にどんな形で出題されるのでしょうか? 数年の入試問題をサンプリングして出てきた傾向を3つのパターンに分類してご紹介したいと思いますd(^_^o)

1)風刺画の説明があり歴史的知識を答えさせる
風刺画に関して補足説明が問題文に書かれており風刺画が言わんとしている事がどんな事かを回答者が想像できるようにしてある。その上でその風刺画に関する問題が出題される。

2017年 渋谷教育学園渋谷中学校
ビゴーの風刺画に”ビスマルクの肖像に新年の挨拶をする伊藤博文”という説明があり、出来事と結果を記述式で答えさせる問題。大日本帝国憲法を作るため伊藤博文がドイツのビスマルクを岩倉使節団として訪問した歴史知識が問われています。

2017年 順天中学校
“成金栄華時代”の風刺画と共に “大戦景気で急にお金持ちになった人の様子” という補足説明がある。その上でこのような人たちを何と呼ぶか漢字2字で書くよう問われる。

2)風刺画から考察させ考えを答えさせる
受験生は到底しらないであろう無名な風刺漫画などを問題文に載せ、その場で考えさせるよう仕向ける問題。中には記述式で考えを述べさせる問題もあり高度な問題が多い。

2017年 女子学院中学校
日本の講談倶楽部という雑誌の”大東亜戦争”という題名の風刺漫画が掲載されており、その説明文もを読んで問題に答えさせる。日本の敵として毒ヘビと表現された国がどこであるか考えさせる。アメリカとイギリスですね。
その説明文から“この漫画は日本の戦争の目的は何であると主張しているか”を記述式で答えさせる問題も!

2017年 立教池袋中学校
サザエさんの風刺的な4コマ漫画が多数掲載されており、一部のセリフ等が空欄になっていて選択肢から答えさせる。第二次世界大戦の講和会議の名前や上野駅の様子から”集団就職”を答えさせる問題など。
サザエさんの作者が2018年も生きていたらどんな漫画を書くか想像して答えさせる問題 も!

3)ノーヒントで風刺画そのものを問う問題
風刺画に関するヒントは無く内容について問われる問題。知っていれば即答であるが、知らないとかなり厳しい問題。しかしながら題材は超有名な風刺画のみに絞られている模様。

2014年 東邦大付属東邦中学校
“火中の栗”に出てくる人物や栗が何をさすのかを選択肢で答えさせる。問題文の風刺画からは人物の胸に書かれた国を示す漢字は消されている。正直いって知らないと厳しいが… 題材の風刺画は超有名な”火中の栗”

2017年 芝浦工業大柏中学校
ビゴーの”第一回衆議院議員選挙の様子”が問題用紙に印刷されており、これはどんな場面を書いたものか選択肢で問われる。これも知らないと厳しいが、やはり題材は超有名なビゴーの風刺画。

ポイントは時代背景を理解しているか

教科書に出ている超有名な風刺画を知っているかどうか?そして…どの問題にも共通している事はその 風刺画が書かれた時代背景をしっかり把握しているかどうか です。時代背景から連想される関連ワードがそのまま答えになっている ことがとても多いです。

 

それでは 時代背景と関連ワードそして風刺内容をセット にしていくつかの風刺画を紹介したいと思います d(^_^o)

超有名な風刺画15作品

政府による言論弾圧を風刺

有名な風刺画ですね。このころの時代背景は 政府が薩摩や長州の一部の政治家からなる藩閥政治が行われており、板垣退助民選議院設立建白書を提出した事をきっかけに自由民権運動が発生したというものですね。

このあたりが関連項目として問題に出題されます。警察官が左手に持っているのはフランス人画家のビゴーが発行している風刺雑誌TOBAEです。まどからのぞいているピエロがビゴー本人だと言われています。

新聞各社は厳しく取り締まられていましたが、ビゴーは取り締まりを受けませんでした。理由はこのころの日本はフランスとの不平等条約で 領事裁判権(治外法権) をフランスに認めていたからですね d(^_^o)

この絵もビゴーの言論弾圧と同じころに書かれた風刺画ですので、関連ワードも風刺内容もほぼ同じになります。この風刺漫画は”団団珍聞”という雑誌に掲載さましたが、政府の圧力で発禁処分となり編集者は刑罰をうけました∑(゚Д゚)

まさに言論弾圧ですね (-_-;) 当然ですがフランス人であるビゴーは罰せられませんでした。理由はひとつ…領事裁判権(治外法権)をフランスがもっていたからですね!

制限選挙による特権を風刺

自由民権運動のときに政府は1890年に国会を開くという約束をし、とうとう1890年に日本で初めての衆議院議院総選挙が行われました。1889年の大日本帝国憲法が発布された翌年のことですね_φ(・_・

そしてめでたく帝国議会が開かれるわけですが、有権者はわずか45万人で全国民の上位1%のお金持ち男子のみ! 2018年現在のお金持ち上位1%と言えば年収1,500万円以上 に相当します d(^_^o)

風刺画では 限られた人の特権的なイベント であった事を風刺しています。

欧米との不平等条約を風刺

これも有名なビゴーの風刺画です。言わずもがなイギリス船のノルマントン号の沈没事件におけるイギリス人船長の人種差別的な対応(欧米人はボートで助かり日本人は全員死亡した)と、その後…領事裁判権により船長が罪に問われなかった事 を風刺したものですが…

沈没している船をよく見るとフランスの国旗…。あれノルマントン号ってイギリス船じゃなかったの (・_・?  この風刺画…実はノルマントン号事件の翌年に起きたフランス船メンザレ号沈没 の様子なんです。

実は…この絵の作者のビゴーは領事裁判権撤廃の反対の立場。ノルマントン号事件のあとのイギリスの対応により日本の世論が一斉に領事裁判権撤廃に盛り上がりました。それを受けてイギリスの対応がまずかったと風刺しているわけですd(^_^o)

このころ日本は 不平等条約の改正に向け岩倉使節団の欧米派遣 などを積極的に行っていましたね。ノルマントン号のイギリスの領事裁判権の撤廃に成功したのは陸奥宗光 ですね!

欧米諸国との不平等条約を撤廃するため に日本が取り組んでいた事… もう一つは急速な欧米化施策です。鹿鳴館という洋風建築物を立て洋服を来て舞踏会を開いていました…_φ(・_・

フランス人画家のビゴーは日本の浮世絵に興味を持って日本にやってきました。それなのに…日本人は欧米人の猿まねをしています。しかも マナーなどが中途半端だったため欧米人には滑稽に見えた ようです(^_^;)

帝国主義の世界情勢を風刺

有名なビゴーの風刺画ですね。世界中が帝国主義に走ったこの頃、日本と清はそれぞれの立場で最重要視していた土地…それが朝鮮半島です ね。清は朝鮮に属国になって欲しい…日本は朝鮮に独立して欲しい…

そして 南下政策(植民地を南へ南へと進める政策)を取り満州や朝鮮を狙うロシア

それらの世界情勢を魚釣りに例えて風刺したのがこの”魚釣り遊び”です。朝鮮が”人”ではなく”魚”として表現されています。つまり日本や清やロシアは帝国主義の国として…朝鮮は植民地の対象として捉えられていたわけですね。

詳しくは… こちらの記事 を参照してください!

日清戦争に勝利した日本…。当時の清は “眠れる獅子” と呼ばれ欧米からも警戒されていました …が、日本があっさりと勝ってしまった。欧米諸国が中心だった帝国主義の列強に日本も仲間入りする様子を表しています。

ところが、ドアのところで日本を列強クラブへ紹介するイギリスの悪だくみする表情…、そして一番左にすわるオーストリアの驚いた表情、最も手前に座るロシアの嘲笑した表情日本は対等な扱いを受けていない事が分かりますね (-_-;)

冒頭でご紹介した有名な風刺画 “火中の栗” です。日露戦争直前の世界情勢 を風刺したものです。左の方で 火鉢で栗をやいているやたら強そうなおじさんがロシア ですね。

そして日本はまるで子供のように描かれておりイギリスが栗を取ってくるよう命令 しています。アメリカは後ろから見ているだけ。実は…日英同盟は白人と有色人種では世界初の対等な軍事同盟 なんですが…

この風刺画を見ると 日本はイギリスに利用されているという事を風刺 していますね。しかも題名は “火中の栗”… 自分の利益にならないのに危険をおかすこと∑(゚Д゚) 世界はそう見ていたわけです。

前述の “火中の栗”のビゴーのバージョンです。同様にやたら強そうなロシア… そしてへっぴり腰の弱そうな日本をイギリスが戦いを挑むよう背中を押しています。やっぱりアメリカは後ろから見ていますね…(^_^;)

日露戦争と日英同盟によほど思いがあったのか…ビゴー2枚目です。強そうなロシアは今度は大きな熊として表現 されていますね。日本は少し怯えているような表情。そしてイギリスは隠れながら日本をけしかけています ね_φ(・_・

戦争のための国民への負担を風刺

イギリスの後押しで日露戦争に踏み切った日本ですが、戦費を賄うために イギリスとアメリカからの借金や国民への増税 を行います。身の丈に合わない背伸びをした戦争を風刺した風刺画 ですね。

この国民感情を激化させた背景が2つあります。ひとつは何とか勝利した日露戦争の講和条約(ポーツマス条約)で賠償金が取れなかった事。そしてもう一つは泣く老人の後ろに描かれている人たちです。

ちょっと見えにくいですが… 一般国民は増税に苦しむ中、一部の政治家や団体は戦争に貢献したとして “勲等” を与えられたと描かれています。戦争に全てを注ぎ込む政府を風刺しているようですね_φ(・_・

大戦景気による大金持ちを風刺

これも有名な風刺画です。第一次世界大戦が本格化し大戦景気で急にお金持ちになった”成金”を風刺 したものです。100円札を燃やしていますが、当時の海軍二等兵の月給が13円程度だった事を考えると…現在の100万円以上の価値があったと思われます

100円札を燃やすおじさんはモデルがいると言われています。山本唯三郎という実業家で 大戦景気の際に船舶輸送業で成功し巨万の富を得た人物 です。奇行が多かったと言われておりWikipediaにも札束を燃やすエピソードが書かれています_φ(・_・

参考リンク: Wikipedia 山本唯三郎

軍部よる軍国主義を風刺

ちょっとマイナーですが軍部による議会政治の無効化を揶揄した風刺画です。陸軍の軍靴を履いた大きな足が議会政治の象徴である国会議事堂を踏み潰していますね (@_@)

足にしがみついている2人ですが、すみません…誰だか分かりません(^_^;) ぶら下がっている人間が軍部の人か議会の人か分かりませんが 大きな軍人の足を制御できていない様子が分かります。

この風刺画もあまりメジャーでは無いのですが、実際の入試にも出題されている “ニューヨークタイムズ” に掲載された漫画です。満州事変を起こし国際連盟を脱退した日本の姿を風刺 しています。

日本兵がまるで野蛮人のような描かれ方をしています… (-_-)

まとめ

今回は、中学受験の入試問題でよく出る風刺画についてまとめてみました。出題のされ方は時代背景を問うもの。時代背景から連想される関連ワードが出てくるかが重要 です。

教科書などにも記載されている超有名どころの風刺画の時代背景や関連ワードを探ることで、風刺画の眺め方 が分かったのでは無いでしょうか?


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