中学受験:凸レンズの作図…たった3つの知識でスッキリできるようになる
凸レンズの作図ができない…虚像や実像が具体的にイメージできない…
こんにちは。かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
小学生にとってややこしい”光の進み方”。そもそも虚像とか実像っていったいナニモノ?どうして水やガラスに入ると光は曲がってしまうのか?凸レンズを通った光の道筋の書き方が分からない…(-_-;)
3つの知識をおさえるとスッキリ作図できます
凸レンズの作図における3つの知識とは ① そもそも虚像や実像がナニモノなのか? ② たった2本の線を書けるようになること ③ レンズの手前には3つの領域がある というもの。
そしてこの3つの知識の大前提となっているのが 光がなぜ曲がるのかということを理解 することですd(^_^o)
それでは1つずつ見てまいりましょう!
目次
まずは…光がなぜ曲がるのかを理解する
光の速さは通る場所で激変する
光というものはとんでもなく速いということは小学生でもなんとなく理解している事実です。ところが…その光が水の中に入るとかなり遅くなるということはあまり知られていません。
この事実が超重要です!
このように空気中では光は秒速30万kmもの速さですが、水の中に入るとかなり遅くなり約22万km、ガラスの中に入るとさらに遅くなり20万kmにまで遅くなってしいます∑(゚Д゚)
光は空気中よりも水中の方が遅くなる
なぜ…空気の中よりも水の中の方が遅くなるのか? 光は波であり粒子であることから、この説明はかなり難しくなりますのでイメージでおさえてしまいましょう。空気中よりも水中の方が抵抗が強くなかなか前に進めない。そんなイメージで!
※ 相対性理論に出てくる”光速不変の原理”… 光の速さって変わらないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、光速不変の原理は光源が動いていても光速は変わらないというもの。光の速さそのものが変わらないというものではないので気をつけましょうd(^_^o)
車のタイヤをイメージすると屈折がわかる
空気中からガラスの中に進む光をイメージしてみましょう。説明したとおり ガラスに入った瞬間に速さが遅く なります。
では斜めに進んでいる光の場合はどうでしょうか?
図のようにガラスに入ったところで進路が変わります。これは自動車のタイヤをイメージすると、光の進路が変わることを直感的に理解することができます_φ(・_・
空気中よりもガラス中の方が光の速さは遅くなるので、内側にあるタイヤと外側にあるタイヤで速さに差が出ます。この速さの差をイメージすると曲がる方向が分かりますねd(^_^o)
もちろんガラスの中から空気中に抜ける光も同様です
ガラス中から空気中に抜ける光は、さきほどと逆でその速さは速くなります。同様に車のタイヤをイメージすると曲がる方向は、すぐにわかるでしょう!
光が曲がるイメージはつかめましたでしょうか?
光はどこの中を通るかで速さがかなり変わるということ、そして、車のタイヤをイメージすれば、光の曲がる屈折のイメージがスッキリ理解できるかと思いますd(^_^o)
では凸レンズの作図における3つの知識にまいりましょう!
凸レンズの作図に必要な3つの知識
知識① そもそも虚像とは?実像とは?
子供と凸レンズの作図をしていると…そもそも虚像や実像がナニモノであるかを理解していない(-_-;) テキストに書かれた作図の方法だけで理解するのは超キケンです。
まずはこうイメージしましょうd(^_^o)
・虚像は虫めがね越しで見る画像
・プロジェクタがスクリーンに映す画像
虚像は虫めがね越しに見る画像です。虫めがね越しに何かをみると実物よりも大きく見えます。実像はプロジェクタや映画館の映写機がスクリーンに映し出す画像です。
この2つの像のイメージなしに作図してはいけません!
人間の脳は簡単にだまされます。虚像も実像も実際には存在しないものが、あたかもそこにあるかのように見えます。それは目に入ってきた光のみを頼りに脳内で像を作っているからですね。
知識② たった2本の線を引ければよい
実は凸レンズ作図はたった2本の光の進路が書ければ終わってしまいます∑(゚Д゚) 実際に2本の線をみてみましょう。
光はあらゆる方向に飛んでいます。図のように、りんごに反射した光も…あらゆる方向に飛んでいきます。そのあらゆる方向に飛んでいく光のうちたった2本の線を引ければOKですd(^_^o)
どこから引いても良いのですが、今回は…りんごの枝の先っぽから反射される光 を引いてみましょう。基本的に分かりやすい先端がいいです。よくあるろうそくならば炎の先端ですねd(^_^o)
1本目
レンズに平行に入った光 = 焦点に向かって引く!
2本目
レンズの中心を通る光 = そのまま真っ直ぐ引く!
この2本の光の道筋が書ければ、まずはそのレンズを通してどんな像ができるかを作図することができます、まずはこの2本を着実に引けるようにしましょう _φ(・_・
基本的にはこの2本の光が交差する点が像がクッキリ鮮明に現れる場所となります。が… 物体のある場所によって交差する点がだいぶ変わってくることが分かります。
さて…どんなパターンがあるでしょうか?
知識③ レンズの前には3つの領域がある
凸レンズを通る光の線を書く時に必ず意識した方が良いこと。それは物体がどこにあるかということです。もっと具体的にいうとレンズの前にある3つの領域のうちどこにあるかということです。
レンズの前にある3つの領域とは以下の通り
領域①
レンズからの距離= 焦点距離の2倍よりも外側 の領域
領域②
レンズからの距離= 焦点距離よりも外側 の領域
領域③
レンズからの距離= 焦点距離よりも内側 の領域
そして…それぞれの領域で、虚像ができるのか実像ができるのか、本物より大きいのか小さいのか、をきれいに整理できます。これは2本の線を引いてみれば確認することができます_φ(・_・
領域①に物体がある場合
領域①に物体があるとき2本の線を引いてみましょう。繰り返しになりますが、レンズに平行に入った光は焦点に向かい、レンズの中心を通る光はそのまま真っ直ぐ進みます。
そうすると…
物体とは レンズの反対側で交差 します。
そして 焦点に比較的近い位置で交差 します。
本物より小さい実像 ができることが分かりますねd(^_^o)
領域②に物体がある場合
領域②に物体があるとき2本の線を引いてみましょう。しつこいようですが、レンズに平行に入った光は焦点に向かい、レンズの中心を通る光はそのまま真っ直ぐ進みます。
そうすると…
物体とは レンズの反対側で交差 します。
そして さきほどより焦点から遠い位置で交差 します。
本物より大さい実像 ができることが分かりますd(^_^o)
領域③に物体がある場合
領域③に物体があるとき2本の線を引いてみましょう。合言葉は…レンズに平行に入った光は焦点に向かい、レンズの中心を通る光はそのまま真っ直ぐ進みます。
そうすると…
今度は2本の光は交差しない∑(゚Д゚)
このような状態の場合、2本の線は物体と同じ側で交差します。これをレンズの反対側から覗いてみると脳はこの交差した位置に物体があるように錯覚するのです…。
本物より大きい虚像ができることが分かります_φ(・_・
ちなみに…この領域と領域のちょうど真ん中だった場合はどうなるのでしょうか?
領域①と領域②の間に物体がる場合
領域①と領域②のちょうど真ん中に物体があるとき2本の線を引いてみましょう。レンズに平行に入った光は焦点に向かい、レンズの中心を通る光はそのまま真っ直ぐ進む。ですね。
そうすると…
物体とは レンズの反対側で交差 します。
そして 反対側の焦点で交差 します。
リボン型の相似の1:1の図形を見つけられれば分かりますが、本物より同じ大きさの実像 ができますd(^_^o)
領域②と領域③の間に物体がる場合
領域②と領域③のちょうど真ん中に物体があるとき2本の線を引いてみましょう。しつこすぎですが…レンズに平行に入った光は焦点に向かい、レンズの中心を通る光はそのまま真っ直ぐ進むです。
そうすると…
なんと2本の光の線は平行に… ∑(゚Д゚)
当然この2本の光は…一生まじわることはありません。交差するところがないということは、虚像も実像もできません。
さらなる理解のために…
なお、図だけを見ているとどうしても実感がわかない…
そんな時は実際の実験動画を見るのがオススメです!
虚像ってナニモノよ…像が逆立ちする…!?
実際の動画を見ると“あぁこういうことなのね!”とすぐにわかります。
さわにい 中高生学習チャンネル
まとめ
今回は凸レンズの作図をベースに光の進み方について、分かりやすく解説をしましたd(^_^o) ポイントは光がなぜ曲がるのかをザックリイメージでおさえること。
光の速さは意外と激変する…
空気の中 > 水の中 > ガラスの中
この基本原則をおさえた上で、車のタイヤをイメージすると…光が屈折する仕組みを具体的にイメージすることができます。その上で、必要な3つの知識をマスターすれば完璧ですd(^_^o)
夜分遅くにすみません。このまえリクエストしたりとますです。塾で教えてもらってないことだったり、そもそもの原理の説明がとてもわかりやすくて感動しました!レンズの作図がにがてだったのでこうして原理も踏まえて、教えてくださるとすごくありがたいです!参考になりました!ありがとうございます!
りとますさん
かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
さっそくコメントを頂きありがとうございます!
他にもリクエスト頂いておりましたので
順次、公開してまいります!
よろしくお願いいたしますo(^-^)o
かるび勉強部屋
ゆずぱ