中学受験:動滑車の問題の解き方… 力学の王道2ステップで解決

力学に悩んでいるならば… “力学の基本習得” であっけなく解決します

※ 2020年12月14日 例題2の問題文のおもりの重さの表記の誤記を修正しました。

こんにちは。かるび勉強部屋 ゆずぱ です。

力学に悩んでいるお子様… おそらく教科書やテキストを見てイメージができずに悩んでいるのではないかと思います(>_<)

なぜなら小学生向けのテキストには なぜか力学では王道の力を矢印で表記するあの方法が掲載されていない から…。

小学生だろうが…
力学の王道アプローチを教えるべき

力学の王道アプローチとは…とてもシンプルなものです。

① 力を矢印で図にすべて書く
② “つりあいの公式” を立てる

小学生のうちなので 登場する力も 限られています。例えば 動滑車の単元ではたった3種類の力しか出てきません∑(゚Д゚)

それでは詳細にいってみましょうd(^_^o) 

 

なぜ動滑車の問題が解けない?

なぜか…力学の王道を教えないから

冒頭でご紹介したように小学生の教科書やテキストには、力学の王道である力を矢印で表すあの王道テクが書かれていません…。

動滑車の単元に至っては…
動滑車にかかっているひもの本数で割り算をしましょう
みたいな無理やりな説明∑(゚Д゚)

理解できるものも理解できません∑(゚Д゚) 間違いなく力学の王道を教えるのが手っ取り早い でしょう…。

 

力学の王道アプローチとは?

力学の王道アプローチとはナニモノでしょうか? 超シンプルな定番の手順 ですd(^_^o)

とはいえ…小学生には難しいのでは?

そんなことはありません。少なくともうちの息子は難なくマスター できましたd(^_^o)

理由はいくつかありますが、小学生の範囲では 登場する力の種類がとても少ないから… 動滑車ではわずか3種類しか登場しません。

もうひとつは小学生の力学の問題は ほぼ全ての問題が “つりあっている状態” だから… 等式で結べば答えがでてきますd(^_^o)

さらに…問題を数多く解けば分かりますが、力の方向が上むきの力と下向きの力の2種類しかない のです。sinやcosを使ってベクトルの計算をする必要もありませんd(^_^o)

以上から…小学生にも力学の基本を教えるべきです!

 

中学受験の動滑車で出てくる3つの力

動滑車の分野には概ね3種類の力しかでてきません。つまりこの3つの力さえ分かれば 力の矢印を全て書くことができますd(^_^o)

(1)ヒモの力

ヒモを引っ張る力…いわゆる張力 というものです。ポイントはいくつかありますが代表的なのは以下の3つですねd(^_^o)

① ヒモがひっぱられる方向にはたらく
② 力の大きさは “ばねばかりの値” そのまま
③ つながった1本のヒモ…当然どこでも力は同じ

 

(2)重力

いわずもがな 地球上にある全てのモノにかかる下向きの力です。こちらも厳密さは不要…ポイントは以下の2つです。

① 重力の向きはかならず下向き
② 大きさはモノの重さと考えればOK

 

(3)台ばかりの力

台ばかりが 上にのっかったもを上に押し返す力 です。お子様のイメージがつかなかったらキッチンのはかりを上から押してもらいましょう。押し返す力を体験できますd(^_^o)

こちらも厳密さは不要…ポイントは以下の2つです。

① 台ばかりの力は必ず上むき
② 力の大きさは “台ばかりの値” そのまま

 

言葉だけでは分からないので、具体的なドリルを通して実体験してみましょうd(^_^o)

 




力学をマスターするための3つのドリル

ドリル① “ヒモの力” をマスターせよ

1つ目は ヒモの力 です。

ばねばかりにつながっているヒモにはたらく力は、”ばねばかりの値”そのまま でしたね_φ(・_・  “ばねばかり”という装置はそこにかかる力をはかる装置なので あたりまえ なのですd(^_^o)

そして1本につながったヒモ… ヒモのどの部分にかかる力も同じ大きさ になります。ヒモを引っ張った時に ピーンとなっている部分と ユルユルの部分 は無くどこも均等になります。イメージできますでしょうか?

結果は以下のようになります。

最初は苦労するかもしれませんが… 慣れれば簡単にスラスラと矢印を書き入れることができる ようになりますd(^_^o)

 

ドリル② “重力”をマスターせよ

次は 重力 です。

ヒモの力に比べて 極めてシンプル です。モノがあったら下向きに力がはたらきます。しかも大きさはモノの重さそのままです。

結果は以下のようになります

多くの問題が上記のように 滑車の重さ(あとヒモの重さ)を無視する前提ですが、滑車に重さがある問題もあります。

それでも恐れるに値しません(・_・; 下向きに重さと同じ力の矢印を書き加えるだけですd(^_^o)

 

ドリル③ ”台ばかりの力”をマスターせよ

最後は 台ばかりの力 です。

これも ”ばねばかり”の時と同様です。台ばかりは力をはかる装置なので力の大きさはは “台ばかりの値” そのまま になります。

そして重力によって下に引っ張られるモノを上へ押し返しているので力の向きは必ず上むきになりますd(^_^o)

 

ドリル④ 力学の王道アプローチ

動滑車の単元に登場する3種類の力の書き方を具体的にみて、理解できたところで 力学の王道アプローチの練習 ですd(^_^o)

さっそく1つ目のステップである 分かる力を全て図に書き込んで いきましょう_φ(・_・ 前項で紹介した3種類の力ですd(^_^o) 大きさが分からない時は、いつもどおり ”□gの力” としておきましょうd(^_^o)

力の矢印がかけたら ステップ2の ”つりあいの公式” をたてます。といっても 内容は超シンプルです。

特定のモノに着目して “上むきの力=下向きの力” という等式をたてるだけ です。モノが止まっているのであれば、上向きの力と下向きの力が等しくなるということはイメージできるかと思います。

左側の滑車に着目してみると、上むきのヒモの力が2つ、下向きの重力が1つ ありますね。

これを等式で結ぶと、ヒモの力が計算で分かりますね d(^_^o)

2つのステップを着実にこなしていけば、どんな問題も解くことができます。

 

それではいくつかの例題をとおして定着させていきましょうd(^_^o)

 




動滑車の問題を例題で体得する

例題1:シンプルな動滑車

まずは シンプルな動滑車問題 から。

さっそくですが…ステップ1で力を書き加えていきましょう。台ばかりが無いので ”ヒモの力” と “重力” を落ち着いて書き込んで いきましょうd(^_^o)

書けましたでしょうか? “ヒモの力” がいっぱいありますが1本につながっています。つまりすべて同じ大きさです∑(゚Д゚)

それではステップ2です。一番したの動滑車に着目すると”つりあいの公式” が立てられそうですd(^_^o)

“ヒモの力”を求めることができました。手で引っ張っている力も同じですねd(^_^o)

 

例題2:台ばかりが登場する問題

例題の2つ目は 台ばかりが登場する問題です。

ちょっと入り組んだ滑車装置なので…まずは 台ばかり周辺の力を書き込んでみましょう。3種類の力を落ち着いてうめましょう

ステップ2です。つりあいの公式を立てます。

すると…おもりにつながっている ”ヒモの力” を求めることができましたね。今度は全体に目を向けてステップ1から再度やってみましょう。

ステップ2は ”つりあいの公式” ですが、今度は左側の滑車に着目して”上むきの力=下向きの力”の等式をたててみましょう。

これでめでたく ヒモをつまんでいる手につながっているヒモの”ヒモの力” を求めることができましたd(^_^o)

 

例題3:滑車の重さも考慮する問題

最後は滑車に重さがあるパターンの問題です。

この問題も装置が複雑ですので、まずは滑車Bの周辺からステップ1の力の書き込みにとりかかりましょう。

滑車Bにも重さがあるので、ちゃんと重力を書き入れましょう。でも大きさが分からないので ”□gの力” でOKです_φ(・_・

また32gのおもりにつながったヒモ…1本につながっているところは全て ”32gの力” がかかっていることに注意しましゅおd(^_^o)

滑車Bに着目して ”つりあいの公式” を立ててみると、滑車Bにかかる重力…つまり滑車Bの重さが分かりました。

さて装置全体に視野を広げてまたステップ1から…

滑車Aの重力を忘れずに書きましょうd(^_^o) そして滑車Aは “ばねばかり”につながっていますね。当然 ばねばかりにつながったヒモの力は “ばねばかりの値” そのまま です。

滑車Aに着目して”つりあいの公式”を立てれば、今度は滑車Aにかかる重力…つまり滑車Aの重さがわかります。

 




まとめ

今回は苦戦する子供が多いと言われる力学のうち動滑車について、”力学の王道アプローチ“という視点をとりいれてみました。

これだけでモヤモヤしていた力学が
頭のなかでスッキリします

動滑車で出てくる力の種類は3種類。その3種類の力を図に書くことさえできれば、難なく解くことができますd(^_^o)

最後にあらためて… “力学の王道アプローチ” は以下のとおりです。

中学受験:動滑車の問題の解き方… 力学の王道2ステップで解決” に対して28件のコメントがあります。

  1. 子供だよ より:

    力学が苦手な僕でも、わかりやすくてこれからもこのサイトを愛用しようと思っております。
    ここで習ったことを父に説明すると、「よくわかってるやん!」と誉められました。
    本当にありがとうございます。
    これからもよろしくお願いします。

    1. yuzupa より:

      子供だよさん

      かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
      ありがとうございます!!

      私自身が超理系出身なのですが
      できるだけわかりやすさを意識してコンテンツを
      作成しております

      こちらこそ
      今後ともよろしくお願いいたします!

  2. 受験生K より:

    力学が苦手です。
    ぜひ、ばねばかりをやってほしいです‼️

    1. yuzupa より:

      受験生Kさん

      かるび勉強部屋 ゆずぱ です。

      ばねばかりについて、以前もリクエストいただいており
      なんとか早々にまとめて公開したいと思います!

  3. チョコレートクッキーママ より:

    とても分かりやすく、苦手を克服出来ました!
    娘も出来てはしゃいでおります。

    ゆずぱさん、本当にありがとうございます

    1. yuzupa より:

      チョコレートクッキーママさん

      かるび勉強部屋 ゆずぱ です。

      ありがたいコメントをいただきありがとうございます!
      また娘さんのご反応が本当に嬉しい限りです。

      今後ともよろしくお願いいたします!

      かるび勉強部屋
      ゆずぱ

  4. 名無し より:

    とても分かりやすかったです!!

    1. yuzupa より:

      名無しさん

      ありがとうございます!!

  5. 匿名 より:

    質問失礼します。例題3の滑車Bになぜ32gの力がかかるのかが分かりません。滑車Bは動滑車ですか?動滑車であれば力は分解されて16gなると思いました。そのへんが上手く理解できないので教えて頂けたら嬉しいです。

    1. yuzupa より:

      匿名さま

      かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
      ご指摘の箇所ご説明いたします!

       匿名さまのおっしゃるとおり重さを無視できる動滑車の本体に
       おもりがぶらさがっていた場合、ひもにかかる力はおもりの半分になります

       しかしながら、この滑車は重さがあります。
       おもりの重力のほかに、動滑車本体の重さも下向きに加わります。

       ですので
        1本のひもにかかる力 =
        ( おもりの重さ + 動滑車本体の重さ )÷ 2

       になります。

      物理の力学の問題では、物体にかかる”全て”の矢印を全部かいてから
      つりあいの等式を立てるように注意すると見落としを減らすことができますd(^_^o)

      かるび勉強部屋
      ゆずぱ

       問題の図をよく見ると32gのおもりがぶら下がっているのは
       滑車にまきついている「ひも」です。

        ・ひもにかかる力は32gであるということ
        ・さらに1本につながったひもにかかる力は全ておなじ

  6. 五月 より:

    分かりやすくありがとう✨

    1. yuzupa より:

      五月さん

      かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
      ありがとうございます。よかったです!

  7. vghb より:

    わかりやすい

    1. yuzupa より:

      vghbさん

      かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
      ありがとうございます!!

  8. 匿名 より:

    よい

    1. yuzupa より:

      かるび勉強部屋
      ゆずぱです!

      ありがとうございます!!

  9. 匿名 より:

    いいね

    1. yuzupa より:

      かるび勉強部屋
      ゆずぱです。

      ありがとうございます!!

  10. 1212¥¥/ より:

    ほんとわかりやすいですね。
    ありがといございました。

    1. yuzupa より:

      1212さん

      かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
      こちらこそ、コメントを残していただき、
      ありがとうございます!!

  11. より:

    ためになりました

    1. yuzupa より:

      あ様

      ありがとうございます!

  12. よしお より:

    突然の質問で失礼いたします。
    教えていただきたいことがあります。
    例題2:手で引っ張っている力は?の考え方の「ステップ1:わかっている力を全て書く」の部分です。
    120gのおもりを台秤に乗せて台秤が50gの値を差しているとき
    なぜ重力が80gの力となるのでしょうか?重力は70gの力となると思うのですが。
    この前提が間違っていると最後まで間違えてしまうと思うのです。

    1. yuzupa より:

      よしお様

      かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
      コメントをいただき大変ありがとうございます。

      ご指摘どおり例題2の重力の矢印の値が問題文と合っていませんでした。
      問題文のおもりの重さを80gに修正しました。

       また、おもりの重さが120gだった場合は、
       ご指摘どおり紐にかかる張力は 120gー50gで70gになります。

      お手間をかけてご指摘をいただいたことに
      心より感謝申し上げます。コンテンツの内容について
      今後もよりいっそう気をつけてまいります。

      1. よしお より:

        早速のご対応ありがとうございます。
        瞬間的に頭の中に????が沸き、
        しばらく考えてみたのですがやはり理解できず質問させていただきました。
        疑問が解消されすっきりしました。
        とても分かりやすくためになるコンテンツです。
        今後とも頑張ってください。

        1. yuzupa より:

          よしお様

          かるび勉強部屋 ゆずぱ です。
          改めて心より感謝申し上げます。

          今後もより質の高い解説を目指して
          まいりますので、よろしくお願い申し上げます!

          以上です。

  13. ひろみ より:

    ゆずぱ様
    お久しぶりです!力学のブログ、ありがとうございます!親子で実践させていただきました。そしてまた、色々な試行錯誤を重ね、やっと娘が基本程度には解けるようになりました!しかも、問題集を基礎から応用までやったところ、多少の苦労()を積み重ねだいたいは解けるようになりました!娘の劇的な進化にびっくりしています。やっぱり子供ってやる気があると伸びるんですね。
    改めて、ブログありがとうございました。

    1. yuzupa より:

      ひろみ様

      わざわざコメントいただきありがとうございます!
      ご無沙汰しております。

      ご息女の”やる気”と”成果” とても嬉しく思います。
      子供が見せる集中力と伸びには驚かされる部分がありますよね。

      イチバンは子供のやる気がマックスになるように
      することかと思いますが、なかなか難しく日々試行錯誤です。

      ご息女のより一層の発展、陰ながら応援しております

      かるび勉強部屋
      ゆずぱ

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